画像処理において、オブジェクトの追跡は非常に重要なタスクです。OpenCVは、この目的のために多くの追跡アルゴリズムを提供しています。その中でも、Boosting TrackerはAdaBoost学習アルゴリズムを利用してオブジェクトを追跡する手法です。このブログでは、OpenCVのTrackerBoosting
クラスを使用して画像内の特定の特徴を追跡する方法について説明します。
Boosting Trackerとは?
Boosting Trackerは、複数の弱い分類器を組み合わせて強い分類器を作るAdaBoostアルゴリズムを基にしています。このトラッカーは、オブジェクトの特徴を学習し、それを追跡するために背景との区別を強化します。
画像特徴を対象とした追跡の実装
#include <opencv2/opencv.hpp> #include <opencv2/tracking.hpp> int main() { // 最初の画像を読み込む cv::Mat img = cv::imread("image.jpg", cv::IMREAD_COLOR); // トラッカーを作成する cv::Ptr<cv::TrackerBoosting> tracker = cv::TrackerBoosting::create(); // 追跡するオブジェクトの初期位置を設定する cv::Rect2d bbox(100, 100, 80, 80); // 例としての座標 tracker->init(img, bbox); // 二番目の画像を読み込む cv::Mat img2 = cv::imread("image2.jpg", cv::IMREAD_COLOR); // オブジェクトを追跡する bool ok = tracker->update(img2, bbox); // 追跡状態に応じてバウンディングボックスを描画する if(ok) { cv::rectangle(img2, bbox, cv::Scalar(255, 0, 0), 2, 1); } else { cv::putText(img2, "Tracking failure detected", cv::Point(100,80), cv::FONT_HERSHEY_SIMPLEX, 0.75, cv::Scalar(0,0,255),2); } // 結果の画像を表示する cv::imshow("Tracking", img2); cv::waitKey(0); return 0; }
このコードは、最初の画像で設定されたオブジェクトの位置を二番目の画像で追跡します。TrackerBoosting
クラスはAdaBoostアルゴリズムを基にしており、背景との混同を防ぐために背景を負の例として使用します。
まとめ
Boosting Trackerは、OpenCVのtracking
モジュールに含まれており、特定の特徴を持つオブジェクトの追跡に非常に有効です。ただし、OpenCVのバージョンによっては、TrackerBoosting
クラスの使用方法や位置が異なる場合があるため、使用しているOpenCVのドキュメントを確認することをお勧めします。