PyTorch: 事前学習モデルを活用したセグメンテーションの例

目次

  1. はじめに
  2. セグメンテーションとは
  3. PyTorchでのセグメンテーションの使用方法
  4. コード例:セグメンテーション
  5. 結論

1. はじめに

この記事では、深層学習フレームワークであるPyTorchを使用して、事前学習済みモデルを活用したセグメンテーション(画像の領域ごとの分割)の方法について解説します。


2. セグメンテーションとは

セグメンテーションは、画像内の領域ごとに分割するタスクです。つまり、画像内の各ピクセルにクラスラベルを割り当てることで、画像内の異なるオブジェクトや背景を識別します。セグメンテーションは、画像処理、医療画像解析、自動運転などのさまざまな分野で広く使用されています。


3. PyTorchでのセグメンテーションの使用方法

PyTorchでは、事前学習済みモデルを活用してセグメンテーションを行うことができます。以下に基本的な使い方を示します。

import torch
import torchvision
from torchvision.models.segmentation import fcn_resnet50

model = torchvision.models.segmentation.fcn_resnet50(pretrained=True)
model.eval()

ここでは、fcn_resnet50関数を使用してResNet-50 backboneのFully Convolutional Network (FCN) モデルをロードしています。


4. コード例:セグメンテーション

以下に具体的なコード例を示します。ここでは、一般的な画像処理ライブラリPIL(Pillow) を使用して画像ファイルを読み込み、モデルに適用する形式に変換します。

from PIL import Image
import torchvision.transforms as T

# 画像をロードしてPyTorchのテンソルに変換します。
image = Image.open('path_to_your_image.jpg')
transform = T.Compose([T.ToTensor()])
image_tensor = transform(image)

# バッチ次元を追加します。
image_tensor = image_tensor.unsqueeze(0)

# 推論を実行します。
with torch.no_grad():
    prediction = model(image_tensor)

# セグメンテーション結果を表示します。
segmentation_map = prediction['out']
print(segmentation_map.shape)

このコードでは、まずImage.openで画像ファイルを開き、torchvision.transformsで提供される変換関数を使って画像データをPyTorchのテンソル形式に変換しています。その後、テンソルにバッチ次元(batch dimension)を追加し、モデルの入力として使用可能な形状(shape)に整えます。最後に推論(inference)を行い、セグメンテーション結果を表示しています。


5. 結論

この記事では、PyTorchを使用して事前学習済みモデルを活用したセグメンテーションの方法について説明しました。セグメンテーションは画像の領域ごとの分割を行う重要なタスクであり、様々な応用分野で利用されています。