目次
1. はじめに
JavaScript/TypeScript のランタイム環境に新たな選択肢が加わりました。それが「Deno」です。今回の記事では、特に IoT(Internet of Things)領域で Deno を使用するメリットやその方法について説明します。
2.Denoとは
Deno は JavaScript/TypeScript の新しいランタイム環境で、Node.js の創設者 Ryan Dahl 氏によって開発されました。セキュリティへの配慮、モジュールシステムの改善などが特徴です。
// deno example import { serve } from "https://deno.land/std@0.97.0/http/server.ts"; const s = serve({ port: 8000 }); console.log("http://localhost:8000/"); for await (const req of s) { req.respond({ body: "Hello World\n" }); }
3.IoTとは
IoT(Internet of Things)は、「物のインターネット」と訳される技術で、さまざまなデバイスをインターネット経由で接続し、制御したり情報を共有したりします。
4.DenoをIoTで使う理由
- セキュリティ: Denoではデフォルトでサンドボックス化されており、安全性が求められる IoT 環境でも安心して使用することが可能です。
- モダンなJavaScript: Denoでは最新のJavaScript/TypeScript機能を利用することが可能です。
- 組み込み機能: ファイルシステムやネットワークへアクセスするためのAPIが組み込まれています。
5.DenoとIoTのセットアップ方法
Denoはシンプルなインストール手順を持っています。公式サイトからダウンロードするか、以下のコマンドでインストール可能です。
curl -fsSL https://deno.land/x/install/install.sh | sh
一方、IoTデバイスへのセットアップはデバイスによりますが、一般的にはSSH接続やFTPを用いてDenoランタイムを転送し、設定します。
6. コード例: Deno を用いた IoT デバイス制御
以下にDenoを使用してHTTPサーバーを立ち上げ、IoTデバイスからのリクエストに応答する基本的な例を示します。
// deno IoT example import { serve } from "https://deno.land/std@0.97.0/http/server.ts"; const s = serve({ port: 8000 }); console.log("http://localhost:8000/"); for await (const req of s) { const url = new URL(req.url, `http://${req.headers.get('host')}`); const deviceName = url.searchParams.get('device'); if(deviceName === 'light'){ // Control the light device here. req.respond({ body: "Light turned on\n" }); }else{ req.respond({ body: "Unknown device\n" }); } }
この例ではURLパラメータdevice
で指定されたデバイス名に応じて処理を行います。ここでは具体的なデバイス制御コードは省略していますが、実際にはGPIOピンへの信号出力等で物理的な操作が可能です。
7.まとめ
Denoはそのセキュリティ対策やモダンなJavaScript対応等から見てもIoT領域で非常に有用な選択肢と言えます。特に小型デバイスや個人で開発するプロジェクトではその簡易さと強力さが活きることでしょう。